難聴と診断されたら・・・手で会話する「手話」を学ぶ方法
難聴の方が人とのコミュニケーションを取る方法の一つとして手話があります。
聞こえにくく、会話が困難な方でも手話を習得することで会話ができるようになったり、情報を今より多く取得できる可能性が広がりますのでおすすめです。
では、実際に手話を勉強するにはどうしたら良いのでしょうか?
また、 手話のメリットやデメリット、手話をする上での注意点などにはどういったことがあるのでしょうか?
ここでは手話について見ていきましょう。
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手話を学べる場所
手話は各自治体や都道府県が主催している手話教室で学ぶことができます。
一口に手話教室といっても難聴の方の場合、学びやすい教室でそうでない教室とがあります。
この違いは何でしょう?
実は、手話教室には難聴者を対象にした教室と健常者を対象としている教室があるのです。
難聴の方が健常者を対象にした教室へ行くと、講師の言うことが聞き取れず理解しにくい為、どうしても習得が難しくなってしまいます。
難聴者向けの教室でしたら、講師も難聴者へ向けた講義を行ないますので理解しやすく習得が難しくなるということもありません。
また、講義内容が聞こえなくても、筆記を使ったりOHPでスクリーンに内容を映し出したりしてくれますので安心して学べます。
こうした手話教室の他にも通信教育や参考書を元に独学も可能です。
手話のメリット
手話は、文章を書くのとは違いリアルタイムで話せるため音声通話に近い感覚で話すことができます。
聴覚障害者は声が大きくなりがちですが、手話を使えば電車の中やバスの中などで静かに話すことができますし、周囲が騒がしくても問題なく会話をできるのが手話のメリットだといえるでしょう。
また、手話の語彙は豊富で、ほとんどのことを表すことができますので文章表現の苦手な方でも、手話を使えばすらすらと会話することができるのです。
手話のデメリット
聞こえにくくても人とのコミュニケーションが取れる手話ですが、デメリットがあるのも事実です。
例えば、薄暗い場所や全くの暗闇など、視覚が役に立たない場所では手話を使うことはできません。
また、手話を扱える人が少ないので急遽、人との会話が必要になった時、例えば道を聞こうとした時などは手話で話しかけても理解されない場合が多いのも事実です。
他にも語彙が多いがゆえに学ぶのがとても大変で、完璧に話せるようになるまでは時間が掛かってしまいます。
ちょうど外国語を学ぶような感覚だと考えて良いでしょう。
更に、手話には方言に似た特性があり世代間で通じないものがあったり、地域によって異なる表現をすることもありますし、言葉と同じように手話にも流行の表現などがあり、聴覚障害者同士でも手話が通じないということもあります。
具体的な例をあげると「学校を休む」ということを言う場合、「学校に行かない」「学校に不参加」など人によって表現方法が異なります。
意味は同じなので多くの表現方法を習得している方なら問題なくても、そうでない方や普段あまり使わない表現方法をされると理解できないというケースもある訳です。
ただ、手話を習得し相手も手話ができるからといって100%手話のみで会話をする必要はなく、手話が伝わっていない、理解できないという時は、筆談や携帯メールなどを使用することでコミュニケーションを取っていけば問題ありませんので、デメリットとまではいかないかもしれませんね。
手話をする上での注意点
聴覚障害があっても人との話しているのと同じようにコミュニケーションを取ることのできる手話。
しかし、手話をする上で注意して頂きたいこともありますので見ていきましょう。
手話は万国共通ではない
日本で使われている手話と世界で使われている手話は違います。
その為、海外の聴覚障害がある方とコミュニケーションを取ろうとしても手話でのコミュニケーションは困難です。
場所によっては人の迷惑を掛けてしまうケースも
人ごみや公共の場所で手話を使って話していると、腕が周囲の人に当たって迷惑になることもあります。
また、歩きながら手話を使っていると周囲への注意がおろそかになってしまい、咄嗟のことに対応できなくなってしまいますので周りをよく見ることが大切です。
手話が出来ない方への配慮
手話が出来る方と出来ない方が同じ場所にいる場合、手話ばかり使って話していると手話の分からない方を仲間外れにしてしまうことがあります。
手話の分からない方も一緒にコミュニケーションを取れるように手話と筆談を併用したり、手話のできる健常者の方へ通訳してもらうなど心配りをされると良いでしょう。
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