人工内耳って何?難聴の手術ではどんなことをするの?

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難聴について調べると「人工内耳」について触れられている文面をよく目にしますね。

人工内耳とは、現在世界で最も普及している人工臓器の1つで機器を通じて会話(コミュニケーション)を行えるようにするものです。

人工内耳は補聴器の使用にほとんど効果が見られず、90dB以上の音しか聞くことのできない人適応しています。

人工内耳によって聞こえの改善はかなり期待できますが、個人差があるため全く効果を得られない人がいるのも事実です。

しかし、この全く効果を得られない人は主に成人のろう者に多く、音による刺激を全く受けないまま成長することで、脳内にある聴覚をつかさどる部位が成長しないままになっている為、人工内耳によって音が聞こえるようになっても、その音の信号を受け取ることが難しく言語を理解することができない、即ち、効果を得ることが難しいといわれています。

その為、人工内耳は一般的に幼少時に失聴した場合、装着するのは早ければ早いほど良いといわれます。

乳幼児の時期に人工内耳を装着することで健聴者とあまり変わらないレベルで音を聞き取ることが可能になることもあるからです。

また、事故や病気などで中途失聴した場合は、既に脳内にある聴覚をつかさどる部位が成長している為、人工内耳をつけることで言語を判別することができるようになる人が多いのです。

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人工内耳の費用と手術方法

いざ、人工内耳を使用しようとした場合、気になってしまうのがやはり費用や手術方法ですね。

人工内耳の手術には保険が適応されます。
総費用はおよそ400万円ほどですが、健康保険と医療費の助成制度によって多くがカバーされる為、自己負担額はあまり高額にはなりません。

ただ、人により負担額が異なる為、ここでは何%程負担するという正確な数字を出すことができませんので、手術を行なう病院の総合受付へ問い合わせてみましょう。

いざ、人工内耳を装着することになったら、まずは手術を行なう前に術前検査を行います。

人工内耳は蝸牛に電極を通して聴神経を刺激するため、電極を埋め込むスペースがない場合には手術をしても効果が薄い場合があります。その為、MRIを取り蝸牛やその周辺のスペースを確認します。また、その他にもCT検査や、実際に蝸牛へ電気刺激を加えその結果を見るテスト、平衡感覚を見る検査などを行います。

また、全身麻酔を使用しますので血液、尿、心電図、肺機能、胸腹部レントゲンなどを行ない全身麻酔に耐えられるか、輸血の準備などの確認を行ないます。

これは人工内耳に限らず、全身麻酔を使用した手術では行われる検査です。

手術では、耳の後ろを切開してインプラントと電極を埋め込みます。

全身麻酔を使用して3時間程度で終了する手術ですが、内耳の奇形など特別な場合はそれ以上の時間がかかることもあります。

手術前には必ず、担当医や執刀医より手術のことについて詳しい説明がありますので、不安や疑問などは遠慮なく質問していきましょう。

また、説明後に疑問などが出てきた場合は看護師に伝えておくと医師から説明がありますので、遠慮せず質問しましょう。

術後はどのようになるか

いざ、手術を行なうと次に気になるのは術後についてですね。

人工内耳は、術後2週間ほどで初めて電極を作動させます。

これを「音入れ」と呼び、ここで初めて人工内耳を介した音を聞くことになります。

その後1~2か月は週に1回程度、人工内耳の調整を含めてリハビリを行います。

一般的には成人の中途失聴者よりも、2~4歳ぐらいの幼児の方がリハビリの頻度は高いのですが、医師の判断や個人差によってリハビリ頻度は変わってきます。

人工内耳の装用状態が安定すればリハビリの頻度は減っていきますが、それでも半年から1年に1回程度の定期点検が必要となるでしょう。

人工内耳手術後は、柔道やプロレスなどの耳の付近に激しい衝撃が加わる可能性が高いものは別として、それ以外のスポーツならすることができますし、メロディーの聞き分けは難しいことが多いですが、打楽器のリズムは感じやすいので音楽を楽しむこともできるでしょう。

まれに顔面麻痺やめまいなどの合併症が現れることもありますが、自然と回復していくケースがほとんどですし、定期的に健診や、必要であれば治療を行っていきますので医師の指示に従って下さい。

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